代替医療研究家 田川定慈のカラダコラム
快眠シリーズ1 熟睡するための環境
私たちが心地よく熟睡するためには、寝室となる空間の環境がとても大きく影響してきます。熟睡のための良い環境は、5つの要素で決まります。【明るさ、音、温度、湿度、におい】がそれです。それではその熟睡のための5つの要素について詳しく説明をしていきましょう。
1.明るさ
寝室は明るいより暗い方が眠りやすいと感じるのは当たり前のことです。しかし、何の明かりもない暗闇より豆球が点燈しているぐらいの薄暗い方が、心が落ち着いて眠りやすいと感じる人は少なくありません。
つまり、まぶしいほど明るいと眠りにくいけど、個人差はありますが、ある程度暗い方が良いです。しかしながら明るさに対して人間は慣れることができるのも事実です。
2.音
寝室は静かな方が眠りやすいと感じるのは、普通に考えると当たり前のことです。大多数の人々が静かな方が眠りやすいと感じています。
しかし[テレビをつけっ放し]の方が眠りやすく、テレビを誰かが切ると目覚める人も少なからず存在しますし、あなたの身辺にもいらっしゃるかもしれません。この現象については、心的な要因があると言われています。特に過去の経験の中で、マイナス体験をしている人に現れているようです。
私の実父がそうでした。実父は兵隊の経験があり、それも有名なインパール作戦のコヒマ戦線に参戦させられています。私もテレビを見ながらの眠りが、安心感がありますが、幼少期、実家が飲食店をやっていた影響で眠りの環境としては劣悪だったからでしょう。似たようなことで、静かな環境よりは話し声などのある方が、眠りに就きやすい人は少なくないかもしれません。また、明るさと同様、人間はある程度の騒音には慣れることができます。
3.温度
冬は寒く、夏は暑いのが日本の自然です。冬に寒い部屋で寝具なしでは寒くて眠れません。また、熱帯夜が多い最近の夏は、エアコンや扇風機、あるいはアイスノンなど眠りに入るためには何かが必要です。寝るための最適の温度は、寝具の中、つまり肌に近いところで33℃です。若干の個人差はあるかもしれませんが、一般論としては、この温度なのです。寒くても暑くても安眠できません。またいくら訓練しても温度だけは慣れることが不可能なのです。
4.湿度
夏は高く、冬は低いのが日本の湿度です。不快指数の高い熱帯夜は、そのままでは眠れない環境です。それでは理想な湿度はどのくらいかと言うと、前項3の理想温度である33℃の場合、寝具内湿度は湿度50%が最適です。湿度が低くても眠れはします。ただし、のどなどの呼吸器官を痛める可能性もでてきます。また、湿度が高くても眠れますが、睡眠中に出る汗が発散しないため、寝冷えをおこす可能性が出てきます。
5.におい
寝室内に心地よい香りを漂わせて快眠を誘うアロマセラピーを最近では耳にすることがあります。人は嫌なにおいに対して寝付きは悪くなり、また熟睡もしません。タバコを吸わない人がタバコのにおいのする寝室では、熟睡していないのです。出張先の宿泊するホテルの都合で嫌煙者が喫煙者用ルームに泊まると、頭がスッキリしないということになりかねません。これもまた、毎日同じ状態を繰り返すと慣れることができます。
以上、5項目について書いてみました。
私たち人間が絶対に慣れることが不可能な快眠の条件は、温度であることをご理解いただけたと思います。この体温を調整するのに重要なのが、パジャマや寝具(ふとんやまくら)です。睡眠環境においてパジャマや寝具(ふとんやまくら)はたいへん影響が大きいということです。